国宝瑠璃光寺五重塔

国宝瑠璃光寺五重塔について

国宝瑠璃光寺五重塔は、嘉吉二年(1442)に完成し、室町時代中期におけるすぐれた建築の一つであるとともに、大内氏隆盛時の文化を示す遺構として意義深いものです。

高さは31.2メートルで桧皮葺独特の軽快さが見られ、軒の出は深くなっています。塔の身部は上層にゆくにつれて思い切って間をつめているので、塔の胴部が細く見えてすっきりと感じられます。これに対して初重の丈が高く、柱が太く二重目には縁勾欄があるので安定感が強くなっています。鎌倉時代から和様、禅宗様、大仏様の建築様式が用いられていますが、この塔は和様を主体としていて、一部に禅宗様の手法が見られます。室町時代のものとしては、装飾の少ない雄健なものです。この塔は大内義弘の菩提をとむらうため、弟の盛見がこの地にあった香積寺の境内に建立したものですが、江戸時代の初めに香積寺は萩に移り、その跡に瑠璃光寺が移りました。その後、瑠璃光寺五重塔と呼ばれています。

国宝瑠璃光寺五重塔 令和の大改修について

現在、国宝瑠璃光寺五重塔の屋根葺き替え工事が行われています。
瑠璃光寺五重塔は、日本三名塔の1つに数えられる本市唯一の国宝であり、修復を重ねることで建立以来600年近くもの長い間、その美しさが後世へと受け継がれており、この度、所有者である宗教法人瑠璃光寺にて、経年劣化への対応として約70年ぶりの檜皮葺屋根の全面葺き替え工事に取り組んでおられます。この工事は、国宝瑠璃光寺五重塔を次の世代へ引き継ぐために必要な保存修理であるとともに、文化財建造物の保存修理を支える伝統技術継承の場ともなります。

2024年2月20日 現在の様子

瑠璃光寺五重塔屋根葺き替え工事の概要

事業主体 宗教法人瑠璃光寺
事業期間 令和4年12月から令和8年3月まで
事業内容 檜皮葺き屋根の葺き替え・木部修理等
設計監理 公益財団法人文化財建造物保存技術協会
施 工 協和建設工業株式会社

工事日程(予定)

日程 工事内容
令和5年2月中旬 仮設の足場の基礎設置
4月頃 仮設の足場の鉄骨設置開始
6月頃 足場へのシート張り開始
9月頃 足場へのシート張り完成
令和5年10月頃~令和7年2月頃 屋根葺き替え、木部修理作業
令和7年
3月頃 足場シート撤去開始
8月頃 仮設足場の鉄骨撤去、基礎解体
11月頃~令和8年3月頃 復旧作業